【5月21日 AFP】世界保健機関(WHO)は21日、直接または間接的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で亡くなったとみられる昨年の超過死亡が少なくとも300万人に上り、実際の累計死者数は公式統計よりも最大で3倍に及ぶとの見解を示した。

 2019年末に中国で初めて感染が確認されて以来、世界で340万人以上が同感染症で死亡したと報告されている。

 しかしWHOが公表した報告書によると、同感染症に加え、他の病気の治療が受けられなかった人など、コロナ流行がなければ命を落とさずに済んだ人は、公式統計よりはるかに多いとみられる。

 報告書をまとめたWHOのサミラ・アスマ(Samira Asma)氏は記者会見で「累計死者数は、公式報告数の少なくとも2~3倍多い」と述べた。

 新型ウイルス感染症による昨年の死者数は、公式統計では180万人だったが、報告書によると、間接的な影響も含め同感染症が原因で亡くなったとみられる人数を示す超過死亡は少なくとも300万人に上ったという。

 世界の超過死亡数の累計を問われたアスマ氏は「推定600万~800万人と言って差し支えないと思う」と答えた。

 同氏は「パンデミック(世界的な大流行)の真の人的被害を把握し、次の緊急事態によりよく備える」ために、WHOは各国との協力を進めていると話した。(c)AFP/Nina LARSON