【5月21日 AFP】米司法省は20日、トラやライオン、トラとライオンの交雑種、ジャガーなど計68頭を、オクラホマ州の動物園から押収したと発表した。同園はかつて、配信大手ネットフリックス(Netflix)のドキュメンタリー「タイガーキング(Tiger King)」の主人公で、現在服役中のジョー・エキゾチック(Joe Exotic)受刑者が所有していた。

 司法省は17日、「絶滅の危機にひんする種の保存に関する法律(ESA)」違反の疑いで、オクラホマ州タッカービル(Thackerville)にある「タイガーキングパーク(Tiger King Park)」を家宅捜査した。

 司法省によると、現在この園を運営するジェフリー・ロウ(Jeffrey Lowe)とローレン・ロウ(Lauren Lowe)両氏は、動物の適切な飼育を求める同法に繰り返し違反し、資格を持った獣医師を雇用するようにとの命令に従わなかった。

 オクラホマ州地裁に提出された宣誓供述書で、米魚類野生生物局(FWS)の特別捜査官は、タイガーキングパークが適切な世話をせずに積極的に大型ネコ科動物の繁殖を行い、生まれた子どもの数を適切に報告していないと指摘。

 さらに、「政府がこれらの動物を押収しなければ、ESA違反によって動物たちがさらなる危害やハラスメントを受ける危険が大いにある」としている。

「タイガーキング」にも出演するロウ氏らは2016年、財政難に陥ったジョー・エキゾチック受刑者から、タイガーキングパークを引き継いだ。

 ジョー・エキゾチック容疑者(本名ジョセフ・マルドナドパッセージ<Joseph Maldonado-Passage>)は2018年に逮捕された。1年後、競合相手だった大型ネコ科専門動物園のオーナー、キャロル・バスキン(Carole Baskin)さんの殺害を依頼したとして有罪を言い渡された。現在は22年の禁錮刑に服している。(c)AFP