【5月21日 AFP】ダークファンタジー「ベルセルク(Berserk)」で知られる漫画家の三浦建太郎(Kentaro Miura)さんが6日、急性大動脈解離で死去した。54歳。白泉社(Hakusensha)が20日、明らかにした。世界中のファンから悲しみの声が上がっている。

 代表作「ベルセルク」は、中世欧州を思わせる世界を舞台に、巨大な剣を携えた剣士の復讐(ふくしゅう)の旅を細密な作画で描いた物語。世界中の多くの漫画家やゲームクリエーターに影響を与えたとされる。

 1989年に連載を開始。単行本は40巻まで刊行中で、米国など数十か国で読まれ、累計発行部数は全世界で5000万部を超える。テレビアニメ化、小説化、劇場アニメ化、テレビゲーム化もされた。

 白泉社は公式サイトで、「三浦先生の画業に最大の敬意と感謝を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします」と述べた。告別式は、家族で執り行ったという。

 ゲーム業界に精通するインタビュアー、ケリー・リンク(Kelly Link)さんはツイッター(Twitter)に、「三浦建太郎さんが亡くなった悲しみは、深すぎて言葉にできない」と投稿した。「ベルセルクは、史上最高傑作の一つとして、何世代にもわたって読み継がれる素晴らしい大作だ。息をのむほど素晴らしい美術品にも引けを取らない」

 カナダのアートディレクター、パスカル・ブランシェ(Pascal Blanche)さんは、三浦さんを「漫画史上最高傑作の一つの作者」とツイッターでたたえた。

 米出版社ダークホースコミックス(Dark Horse Comics)は、「三浦先生は、画力とストーリーの達人だった。わが社は、代表作のベルセルクを含む珠玉の作品のいくつかを出版するという大変な名誉にあずかった」とツイート。「三浦先生の死は非常に残念だ」 (c)AFP