【5月21日 Xinhua News】中国の長江水系から北方地域に水を送る「南水北調」計画は、第1期プロジェクトが北京へ送水を開始してから6年余りが経過した。北京市水務局によると、同市ではこの数年、南部地域からの継続的な水補給により、地下水の過剰採取が続く状況に歯止めがかかり、現時点で、平原地域の地下水位は3・72メートル上昇。埋蔵量も19億立方メートル増加した。

 同局の担当者によると、2014年12月27日の送水開始から今年5月17日までに北京へ送られた水は累計64億立方メートル。うち、水道設備への給水量は43億立方メートルに上った。南部地域からの水はこの6年余りで同市の水不足を緩和させ、中心市街地の給水の70%を占めた。大興、門頭溝区、昌平、通州各区などへの給水も始まり、1300万を超える市民が直接的な恩恵を受けている。

 生態環境の保全でも際立った効果を上げている。同市はこの数年、私設井戸の閉鎖や地下水採取の大幅な削減を進めたほか、南部地域からの水を重点水源地や都市部の河川・湖に補給し、地下水位を著しく回復させた。水道管理部門の統計によると、同市の地下水位は16年を境に低下から上昇に転じている。

 同市域内で既に完成した「南水北調」中央ルートの幹線水路は現時点で80キロ。敷設された配水管は約130キロに及ぶ。浄水施設8カ所が新設または改造され、1日当たりの給水規模は375万立方メートルに拡大した。計4千万立方メートルの調節・貯水施設が3カ所建設され、中央ルートと密雲ダムの接続も実現した。(c)Xinhua News/AFPBB News