【5月20日 AFP】インド・デリー首都圏首相がシンガポールで「子どもにとって極めて危険」な新型コロナウイルス変異株が出現したと主張したことを受けて、シンガポールは19日、インドの外交官を呼び出して抗議し、「シンガポール変異株」は存在しないと否定した。

 インドは世界最悪規模の新型ウイルスの感染拡大に見舞われている。一方、シンガポールは対策が比較的うまくいっていると称賛されてきた。

 しかし、シンガポールで感染者数がわずかに増加した後、デリー首都圏のアルビンド・ケジリワル(Arvind Kejriwal)首相はツイッター(Twitter)で、シンガポールで出現した「新たな変異株」は「子どもにとって非常に危険」だと警告し、シンガポールからの入国を禁止するようインド政府に求めた。

 シンガポール外務省は、インドの外交官を呼び出し、ケジリワル氏の「根拠のない主張」への懸念を表明した。

 同省は、「シンガポール変異株」は存在しないとした上で、シンガポールで最近確認された症例の多くはインド由来の変異株だと主張している。

 インド政府もケジリワル氏の主張に反発し、同氏にそのような問題について語る権限がないと述べた。ケジリワル氏は、野党・庶民党(AAP)の党首も務めている。(c)AFP