■「神様は私たちの運命を用意していた」

「他の息子はみな母乳で育ったが、オマルだけは生まれた日から拒んだ」と述べるハディディさん。「神様は私たちの運命を用意していた。私たちにはそれが分からなかった」

 交戦が始まった10日以降、イスラエルの空爆により、封鎖されたガザ地区では200人以上の命が奪われた。この中には、50人以上の子どもが含まれている。一方のイスラエル側も、パレスチナの武装グループによるロケット弾攻撃で10人以上が死亡している。

 ハディディさんは、イスラエルが子どもたちを狙い撃ちしていると述べ、非難する。「家から避難させる警告なしで爆撃を受けるなんて。あの子たちが何をしたというのだ」

 イスラエルは、ガザ地区を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)などの武装戦闘員が攻撃対象だと主張する。

 しかし人権擁護団体は、人口200万の過密地帯で女性や子どもも殺害しているイスラエルの攻撃を糾弾する。

 ガザに本拠を置くメザン人権センター(Mezan Center for Human Rights)によると、前週からの空爆により住居341戸が破壊されている。

 空爆が続くなか、オマルちゃんが十分に回復したら家に連れて帰るとハディディさんは言う。「自分ひとりで、この子を育て上げる」

 映像は17日撮影。(c)AFP/Yahya Hassouna and Mai Yaghi