中国、銅箔が物語る産業発展の鍵
このニュースをシェア
【5月19日 People’s Daily】伸銅品は電子製品の信号や電力を伝えるための「神経回路」と呼ばれ、新産業の発展に不可欠な新素材である。1枚の銅箔(どうはく)をどれだけ薄く伸ばせるかは極めて重要だ。中国安徽省(Anhui)銅陵市(Tongling)のある企業の工場では、非常に薄くのばした銅箔が生産されている。同社の責任者によれば、厚さわずか6マイクロメートルの銅箔が、新エネルギー自動車・スマートフォン・航空宇宙などの産業を支え、効率的に電池エネルギーの密度と航続能力を向上させることができる。
現在、新発見や新技術、新製品、新素材などが入れ替わるサイクルがますます短くなっており、科学技術のイノベーションや研究開発成果は次々に表れ、無限の可能性に満ちている。これは産業のアップグレードをうまくつかみ、新技術や研究開発された新素材を素早く把握した者が、産業の変革の中で抜きんでることができる、ということを意味する。1つの町にとって、改革のブレークスルーとその先行作用がうまく発揮されてこそ、先進的な製造業の発展が加速し、また質実かつ強力で優れた実体経済を築くことで、ようやく新しい発展と構造を形づくる有効な道筋が見えてくるのである。
銅陵市はもともと「銅の古都」と呼ばれ、豊富な銅が産出し、産業の発展上ずっと転換が繰り返されてきた。産業構造のアップグレードと質の高い発展が求めるところに基づき、同市は伸銅品を新産業の中心に据え、精緻な伸銅品を製造し、産業と価値創造を連鎖させて発展させることを基本として、新型産業群を形成してきた。生産された銅箔は、それを生産した企業の製品というだけでなく、それを受け取った企業の製品の準備をすることでもあり、業界と地域のポテンシャルを引き出すものでもある。
地域の強みをつかみ、方向性を定めて、初めて自力での発展が加速される。筆者が取材したのは、銅陵市の中でも省を跨(また)いだ産業チェーンが形成された地域である。江蘇省(Jiangsu)嘉興市(Jiaxing)の企業が誘致され、省を跨いで力を合わせ、金属製品の工業団地が形成されている。サプライチェーンを形成する企業群が集中し、地域を超えた協力体制の中で地理・技術・資源などの要素が非常に効率よく配置されており、敷地内に産業の各段階が置かれることで、生産要素の流れが良くなり、経済構造が最適化される。
また、発展の原動力を強めるだけでなく、質の高いイノベーションも必要である。産業の発展は量より質が重要で、イノベーションこそが主なエンジンである。銅陵の技術は競争力を備え、ある程度集積回路原料の輸入代替化を実現して国内の空白を埋め、中には国際的な独占状態を打破したものもある。将来を見通した基礎研究と根本的な技術研究に力を入れ、科学技術の粋を集め、多くの産業に応用できるハブとなる技術を研究開発することが、技術的な難関を突破する一助となるだろう。(c)People’s Daily/AFPBB News