【5月19日 People’s Daily】中国はこのほど「国家基本公共サービス基準(2021年版)」(以下「基準」という)を公表し、国家が基本的な公共サービスを提供するための現段階での基準を明らかにした。

 近年、中国の基本的な公共サービスのレベルは絶えず向上している。人口1000人当たりの医療機関のベッド数は6.51床で、全国放送の総合カバー率は99%以上となっている。圧倒的多数の地域が県内の義務教育の基本的な均衡発展を実現している。大病保険制度、社会救助制度、養老保育サービスなど、人民大衆の基本生活保障に関係する一連の重大な制度が次第に確立・健全化している。また、中国は世界最大規模の社会保障システムを構築した。2020年末までに、都市部・農村部の住民の最低生活保障の平均基準は、それぞれ1人当たり月678元(約1万1400円)、年5962元(約10万1000円)で、保険加入者は基礎養老保険9億9900万人、基礎医療保険13億6000万人、失業保険2億1700万人、労災保険2億6800万人に及んだ。

「第14次5カ年」計画綱要は、「十四・五」の終わりの時期までに、「基本的な公共サービスの均等化のレベルを顕著に向上させる」、2035年までに「基本的な公共サービスの均等化を実現する」と明示している。「基準」は、幼児の就学保障、学業の保障、労働者の収入保障、医療サービスの保障、高齢者の介護保障、住民の居住保障、社会的弱者の支援保障の「7方面」、また軍人優遇サービス保障、文化サービス保障の「2保障」をカバーしており、合わせて9方面、22大分類、80のサービス項目を含んでいる。

「国家の基本的な公共サービス基準を制定・打ち出したことは、中国の国民生活を保障し改善するための重大な制度革新だ」。国家発展改革委員会の趙辰昕(Zhao Chenxin)秘書長は「『基準』は各級政府が基本的な公共サービスの職責を履行し、人民が相応の権利を享受する重要な根拠となり、標準化によって基本的な公共サービスの均等化を推進する重要な措置だ」と述べた。

 高齢者の介護保障の面では、「基準」は政府が管轄区域内の65歳以上の常住住民に年1回、ライフスタイルや、健康状態の評価、健康診断、補助検査、健康指導などのサービスを提供し、1人1年に1回、漢方医の体質検査と保健指導を行うことを規定している。幼児の就学保障の面では、管轄区域内に常住する0〜6歳児に13回の無料健康診断、0〜3歳児に年2回の漢方治療を実施するという。

「基準」によると、条件を満たした高齢者には福祉手当も支給される。政府は経済的に困難な高齢者に養老サービスの補助金を提供する。要介護認定の経済的に困難な高齢者に介護手当を支給する。80歳以上の高齢者に高齢手当を支給する。不完全な統計によると、昨年末までに全国で3000万人余りの高齢者が福祉手当を受けており、一部の高齢者が直面する生活困難が緩和された。

 また、「基準」は、35歳以上の常住住民のうち原発性高血圧および2型糖尿病の慢性疾患者の健康管理が医療サービス制度のもとで無料提供され、患者は管轄区域の最寄りのコミュニティー衛生サービス機関や郷鎮衛生院、村の衛生室で無料の健康サービスを受けられることを明らかにした。(c)People’s Daily/AFPBB News