【5月22日 AFP】世界最大の高級品──と、その模造品──の市場である中国では、高級ブランド品の真贋(しんがん)を見分けるスキルに熱い視線が注がれている。

「高級品の鑑定士」は、本物と偽物を見分ける厳しい目を持つ。ハンドバッグやベルト、衣服などを選別する際には、怪しげなシリアル番号や質の悪い縫製、ロゴなどに手掛かりを求める。

 中国では高級ブランドの製品が数多く生産されている。市場調査を行う対外経済貿易大学の中国・嗜好(しこう)品研究中心(UIBE Luxury China)によると、その多くは、約4兆元(約67兆6000億円)規模とされる国内市場向けだという。

 現在、高級ブランド品の中古市場も活況を呈している。ハンドバッグ一つに大金をつぎ込むのを嫌う人々が、割安な製品を求めているのだ。

 しかし、そこで人々を待ち受けるのは模造品の違法取引だ。

 多くの人は、本物と「ほぼ変わらない優れた模造品」にだまされる──。そう話すのは、模造品を見分けるためのスキルを教える学校「Extraordinary Luxuries Business School」の創設者、チャン・チェン(Zhang Chen)氏だ。

 チェン氏が教える7日間の講座では、模造品の見分け方、中古品の価値の見定め方、そして高級品の査定に必要なスキルを学ぶ。

 受講料は1万5800元(約26万7000円)だが、大注目の中古高級品市場に参入するための足掛かりになると考えると、それは払う価値のある金額だとチェン氏は話す。

 コンサルタント会社「前瞻産業研究院(Forward Business Information)」のデータによると、2020年の中国の中古高級品市場は、前年のほぼ2倍に相当する173億元(約2924億円)に達したという。