【5月18日 AFP】米サウスカロライナ州で14日、銃殺と電気椅子のどちらの死刑執行方法がいいかを死刑囚に選ばせる法律が成立した。同州では、死刑用の薬物注射の薬物が入手できないため、10年間死刑が執行されていない。

 共和党のヘンリー・マクマスター(Henry McMaster)知事は、「週末に、州による死刑執行が可能になる法案に署名した。被害者の遺族や恋人らには、法によって区切りと正義が与えられるべきだ。われわれが今、それを提供できる」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 死刑賛成派のマクマスター氏は、薬物不足のため停止されていた死刑執行を10年ぶりに再開させる考えだ。

 停止前まで死刑囚は、死刑執行方法として電気椅子か薬物注射かを選ぶことができた。選択しなかった場合には、薬物注射となっていた。

 新州法では、薬物注射による執行ができない場合、電気椅子で執行されることになるが、選択肢として銃殺が追加された。

 受刑者の人権擁護団体「インカーセレイテッド・アウトリーチ・ネットワーク(Incarcerated Outreach Network)」は、新法について、「恐ろしくかつ衝撃的で、忌まわしい」と非難した。一方、人権団体・米国自由人権協会(American Civil Liberties Union)のサウスカロライナ支部は、人種差別的で、恣意(しい)的かつ間違いが起こりやすい制度内で死刑執行を再開させる新たな方法を見つけようとしていると強調した。(c)AFP