【5月18日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林と、周辺の新興農業開発地マトピバ(Matopiba)地域における森林伐採の94%は違法だとする報告書が17日、発表された。

 報告書は、世界自然保護基金(WWF)ブラジル支部や、現地環境NGO「セントロ・ダ・ビダ・インスティテュート(Centro da Vida Institute)」などの環境団体や専門家がまとめたもの。

 研究者らはこの中で、土地利用許可の透明性が欠如しているため、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が約束した「違法伐採の撲滅」は、達成できるか疑わしいと指摘している。

 アマゾンの破壊に歯止めをかけなければならないという圧力の下、ボルソナロ氏は先月の気候首脳会議(サミット)で、2030年までに違法な森林伐採をなくすと宣言した。

 しかし、報告書は、ブラジルでは完全に合法な森林伐採はほとんどないと指摘。許可を得て伐採された土地の場所や面積を把握する法律を、当局が適切に施行していないとしている。

 また、農家や牧場主、伐採業者などが開墾許可を得ている場合でも、実際にどのように使用されているかを当局が把握できていないこともあるという。

 ボルソナロ氏が2019年に就任して以来、世界最大の熱帯雨林アマゾンにおける森林破壊が急速に進んでいる。政府データによると、2020年8月までの1年間で、アマゾンの森林伐採面積は9.5%拡大した。

 セントロ・ダ・ビダのパウラ・ベルナスコーニ(Paula Bernasconi)氏は、「ボルソナロ氏は『森林伐採ゼロ』を約束したが、必要な情報が入手できなければ、私たちはどうやってそれを知ることができるのか?」と問い掛けた。(c)AFP