【5月18日 AFP】米製薬大手のファイザー(Pfizer)およびモデルナ(Moderna)が製造する新型コロナウイルスワクチンが、インドで最初に確認された二つの変異株に対しても極めて有効とする米国の研究結果が発表された。

 米ニューヨーク大学(New York University)グロスマン医学部(Grossman School of Medicine)と同ランゴンメディカルセンター(Langone Medical Center)が行った研究は査読付き学術誌に未掲載のため、予備的なものとされる。

 最終著者のナサニエル・ランダウ(Nathaniel Landau)氏はAFPに、「インド変異株に対して、ワクチンの抗体がやや弱くなることを確認したが、ワクチンの効力に大きく影響するとは考えていない」と述べた。

 インド変異株のうち「B.1.617」では、中和抗体(病原体の細胞侵入を阻止するために免疫系が産生するタンパク質)の量が約4分の1に、「B.1.618」では約3分の1に減少した。

 ランダウ氏は「言い換えれば、インド変異株に効かない抗体もあるが、効く抗体がまだたくさんあるということだ」と説明。ワクチン接種者の抗体価は総じて、従来株に感染し回復した人から採取したサンプルよりもはるかに高いことから、「ワクチンは高い効力を発揮すると思われる」と述べた。

 ただし、こうした実験室での研究では、実際の有効性を予測することはできないため、他の研究で調査する必要がある。

 この研究でファイザーとモデルナのワクチンがインド変異株にも有効なことが示されたが、著者らはよりワクチンに対する耐性の強い新たな変異株が出現する可能性も排除できないとして、世界規模でのワクチン接種の重要性を強調している。(c)AFP