【5月18日 AFP】男子テニス、四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は17日、けがによる長期の戦線離脱を余儀なくされている間に次世代の選手が勢いを増しつつあるとはいえ、トップレベルに返り咲いてみせると意気込みを語った。

 フェデラーは2020年1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)準決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れた後、2度にわたる膝の手術を乗り越えて今年3月のカタール・エクソンモービル・オープン(Qatar ExxonMobil Open 2021)で13か月ぶりに大会に出場し、初戦を突破したものの2試合目で敗退した。それから再び調整を重ね、18日からはジュネーブ・オープン(Gonet Geneva Open 2021)に出場することになっている。

 その後は全仏オープンテニス(French Open 2021)をはじめ、ノベンティ・オープン(NOVENTI OPEN 2021)、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)、そして東京五輪の出場を見据えているフェデラーは、「自分の現在のレベルに不安はある。ツアーに出ている選手たちは、みんな良いリズムをつかんでいる。彼らが生み出しているレベルは素晴らしい。自分も再びそこに到達したい」と報道陣に語った。

 前週のイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2021)では、長年のライバルであるジョコビッチとラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が16日の決勝で激突。2時間49分の激闘の末にナダルが7-5、1-6、6-3で勝利し、マスターズ1000(ATP Masters 1000)大会でジョコビッチが樹立した歴代最多記録に並ぶ通算36回目の優勝を飾った。

 フェデラーは「復帰することにわくわくしている。自分が集中しなければならないのはそのことであり、今のラファ(ナダル)やノバクと同じレベルを目指すことではない」としながらも、「トップ選手の中に食い込めると確信している」とも語った。

 また、自分がツアーを欠場している間に示された競技レベルにも刺激を受けたといい、いわゆる「次世代」の選手と呼ばれるステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)やアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)、アレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、ダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)らが、これからますます脅威になっていくだろうとの認識を示した。

 フェデラーは「一つ確かなのは、チチパスを筆頭にズベレフ、ルブレフ、メドベージェフらの世代が経験を積み重ねていることから、これからもどんどん実力をつけていくのは当然だということだ」と話すと、昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)で優勝したドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)にも言及し、「そうした中で、ドミニクがグランドスラムで優勝した。ラファとノバクもトップに君臨し続けている。テニスは再びレベルが上がっていると言えるだろう」と強調した。

「自分にとってはこれまで以上の試練になると思うし、そのレベルに行き着くのは本当に厳しい道のりかもしれない。しかし、戦列を離れていたのが3か月だろうが約1年半だろうが関係なく、決して簡単なことでないのは最初から承知の上だ」 (c)AFP/Robin MILLARD