【5月18日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)とWBAスーパー・IBF・WBO王者アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)による待望の統一戦が保留になる可能性を、17日に米メディアが報じた。フューリーは元同級王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)との再戦に臨まなければらないという裁定を、独立した仲裁人が下したためだという。

 昨年2月にタイトルマッチを戦ったフューリーが、9月15日までに3度目の対戦を行う必要があるというワイルダー側の主張を元判事のダニエル・ワインスタイン(Daniel Weinstein)氏が支持したと、米スポーツ専門チャンネルESPNとウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)は伝えている。

 仲裁人による裁定は正式な裁判所命令ではないが、ワイルダーとフューリーが合意に至らなかった場合、裁判所は法的強制力があると判断するという。

 フューリーはこの前日、8月14日にサウジアラビアでジョシュアとの統一戦を行うことで合意したと発表していた。

 今回の裁定によって、英国人同士によるドル箱カードが必ずしも消滅するわけではない。

 ワイルダーはフューリーとの3度目の対戦条項の破棄に合意することも、フューリーとジョシュアによる統一戦の勝者との対戦を両陣営から約束してもらうこともできる。

 ワインスタイン氏の裁定ではワイルダー側に損害賠償は認められておらず、両陣営が合意に達すれば9月15日までとなっている期日の延長も認められるという。

 当時無敗だったワイルダーをフューリーが圧倒し、7回TKO勝ちを収めた昨年2月の米ネバダ州ラスベガス(Las Vegas)での一戦から、両者は試合を行っていない。

 両者は2018年にも米ロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で対戦しており、このときはフューリーが12回にダウンを喫するもなんとか耐え、白熱のドローに終わっていた。(c)AFP