【5月17日 AFP】駐韓ベルギー大使夫人が先月、韓国ソウルの衣料品店で店員2人に暴行を加えたとされる事件で、警察は17日、夫人が外交特権を行使して刑事訴追を免れる意向を示したと明らかにした。

動画:店員殴った駐韓ベルギー大使夫人、外交特権行使の意向

 報道によると、夫人が衣料品店から試着後に店を出たところ、店員が後を追い、着ている服について尋ねてもめた。店の防犯カメラの映像には、夫人が店員の腕を引っ張って頭部を殴り、さらに仲裁に入った別の店員の顔を平手打ちする場面が映っていた。

 事件をめぐり、ピーター・レスクイエ(Peter Lescouhier)大使は「心から遺憾に思う」と述べ、妻に代わって謝罪していた。

 ソウル中心部の龍山(Yongsan)警察署の捜査官は、ベルギー大使館が「夫人の免責特権を維持する考えを表明した」と述べ、警察は本件を追及しない方針だと明かした。

 韓国は、公認の外交官とその家族の訴追免除を規定した「外交関係に関するウィーン条約(Vienna Convention on Diplomatic Relations)」に署名している。

 外交特権行使の意向を受けて、世論の批判が噴出。事件に関するあるネット記事には1000件以上のコメントが投稿され、大多数が否定的な意見だった。中には「外交官が特権を持つのは分かるが、なぜ家族にまでそんな特権が与えられるのか」との声もあった。(c)AFP