【5月17日 AFP】中国政府は、新型コロナウイルス対策として、中国側からの世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)の登山を禁止した。国営メディアが14日、報じた。

 新型ウイルスの感染が急拡大するネパール側の登山者から、感染が広がる可能性があることを理由に挙げている。

 中国は2019年末に世界で初めて新型ウイルスが確認された国だが、厳格なロックダウン(都市封鎖)や国境封鎖によって、現在は国内の感染をおおむね抑え込んでいる。だが、海外から持ち込まれ感染が拡大する可能性を懸念しており、エベレストでの感染拡大リスクを警戒している。

 ネパールの観光業は、昨年は壊滅的で、政府は今年の夏に期待を掛けている。しかし、インドと国境を接するネパールは現在、新型ウイルスの第2波に見舞われている。

 ネパール側のベースキャンプでは最近、登山者の新型ウイルス感染が確認されていた。

 中国国営メディアは14日、このような状況を踏まえ、国家体育総局(General Administration of Sport of China)が全ての登山活動の中止を決定したと報じた。期限は不明。

 中国は先週初め、エベレスト山頂に「隔離線」を設置し、ネパール側の登山者からの感染を防止すると発表していた。(c)AFP