【5月17日 People’s Daily】「2015年からインターネットの高速化と通信料金の引き下げを進めて以来、中国は既に世界最大級のブロードバンドネットワークを構築し、農村部と都市部の『同一ネットワーク、同一速度』を実現した。固定ブロードバンドの帯域幅の平均料金とモバイルネットワーク通信量の平均料金は95%以上引き下げられた」。中国工業情報化省の劉烈宏(Liu Liehong)次官は、中国のインターネットの発展状況をそう報告した。

 ネットユーザーの利用速度は大幅に向上した。固定ネットワークにおいては光ファイバーブロードバンドの利用者は2015年の56%から94%に上昇した。ギガビット級光ファイバーの普及世帯は1億2000万世帯を超えている。4G基地局の規模は世界全体の半分以上を占め、5G基地局も79万2000か所整備し、5G携帯電話は2億6000万台に達した。5Gインターネット網は地方の中小都市まで普及し、初期レベルとして世界最大の5Gモバイルインターネット網を実現した。

 最近の5年間、固定ブロードバンドとモバイルネットワークの通信料金が引き下げられたことで10億人以上のユーザーがその恩恵を受け、累積効果は7000億元(約11兆9000億円)を超えている。通信の高速化と料金引き下げはインターネット・アプリケーションの急速な発展を促し、多くの情報消費を刺激してきた。モバイルユーザーの月間平均通信料は2015年の205MBから現在は40倍以上の10.85GBに増加した。

 農村部のネットワークインフラの遅れを解消したことで、都市部との「デジタルディバイド(情報格差)」を大幅に縮小した。中国の行政村(郷、鎮より下の行政単位)で光ファイバーと4Gネットワークが接続された割合は99%を超えている。

 1年の政治方針を示す今年の「政府活動報告」では、中小企業向けのブロードバンドと専用回線の使用料金を10%引き下げ、5Gネットワークやギガビット級光ファイバーの構築を強化してアプリケーションをさらに発展させることを打ち出している。

 劉烈宏次官は「インターネットの全体的普及を目指す段階から、スピードと品質の向上を図る段階に移行している。通信料金も全国的に引き下げる段階から、重点的な引き下げを進める段階に入っている」と強調する。ギガビット級光ファイバー網と5Gネットワークをより広大な範囲に広げるとともに、年内に農村部や遠隔地で4G基地局を1万か所整備し、すべての行政村にブロードバンドを普及する。

 さらに、高齢者や障害者らに重点を置いた通信料金の引き下げを進め、貧困解消を目指す農村部は通信料金を50%引き下げる方針。また、クラウドサービスやアプリケーション開発に力を入れる企業の通信料金を引き下げ、コスト削減をサポートする。(c)People’s Daily/AFPBB News