【5月17日 AFP】新型コロナウイルス対策で厳しい批判にさらされ、支持率が低下しているブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領が15日、新型コロナ対策の中止を訴えるデモに参加した。ボルソナロ氏は会場上空を飛ぶヘリコプターから手を振り、馬に乗って登場。首都ブラジリアの官庁街(Esplanade of Ministries)に集まった数万人の聴衆を沸かせた。

 ボルソナロ氏は支持基盤である農民や宗教右派など保守派の「兵士」を集めるとし、複数の都市で集会への参加を呼び掛けた。早朝、首都ブラジリアには数百台のトラックが到着した。

 農民やトラック運転手らに謝意を表したボルソナロ氏は、感染封じ込め対策を講じた「一部の州知事や市長」を攻撃した。

 ブラジルでは新型コロナウイルスの感染で43万人以上が死亡し、今も毎日2000人以上が新たに感染している。ブラジルの新型コロナによる死者は米国に次いで世界で2番目に多いが、米国とは異なり、2億1200万人の国民に接種する十分な量のワクチンの入手が難しい状況にある。

 ボルソナロ氏は新型コロナウイルスを「小さなインフルエンザ」と呼び、ワクチンの効果を疑問視しているが、ブラジルの調査会社ダッタフォーリャ(Datafolha)が先週発表した世論調査結果によると、支持率は24%と過去最低を記録している。同じ調査でボルソナロ氏の弾劾訴追に賛成するとの回答は49%で、反対の46%を上回った。(c)AFP