【5月17日 AFP】アフガニスタン政府軍と旧支配勢力タリバン(Taliban)は16日、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」明けの祝祭中に実施していた3日間の停戦終了に伴い、南部ヘルマンド(Helmand)州で戦闘を再開した。アフガン当局が明らかにした。

 米国が9月までに駐留米軍を完全撤退させ、アフガンで20年に及んだ軍事作戦を終了する計画を進める中、同国では治安が悪化している。

 ヘルマンド州議会のアタウラ・アフガン(Attaullah Afghan)議長によると、16日朝、タリバンが州都ラシュカルガー(Lashkar Gah)郊外の保安検問所を攻撃し、政府軍との戦闘に発展。ヘルマンド州知事室によれば、タリバン戦闘員21人が死亡した。

 政府軍の現地報道官も、15日夜の停戦終了に伴う戦闘再開を確認。政府軍は、戦闘は数時間続き同日中に終結したものの、夜間にはタリバン側からさらなる攻撃があるだろうとの見解を示した。

 首都カブール郊外でも同日、停戦入り前にタリバンが占拠していた地区に対する政府軍の奪還作戦が始まった。

 ラマダン明けの祝祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」中に実施された停戦はおおむね保たれたが、14日にはカブール近くのモスク(イスラム礼拝所)で12人が死亡する爆発があり、停戦の平穏は破られた。タリバンは爆発への関与を否定しており、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。(c)AFP/Rashid Durrani