【5月16日 AFP】新型コロナウイルスの感染急増で医療崩壊が懸念される貧困国のネパールで先週、入院していた患者5人が酸素供給が切れたために死亡した。

 5人は全員、南部ルパンデヒ(Rupandehi)の病院の集中治療室に入院していた。

 公式発表によると、ネパールでは1日の新規感染者数が4月1日から60倍に増加。過去10日間で1000人近くが死亡した。隣国インドと同様、実際の被害はこれを上回るとみられている。

 人口約3000万人、山岳地帯に位置するネパールでは酸素ボンベの補充が追い付いていない。検査を受けた人の約半数が陽性と判定され、重症患者が病院にあふれている。

 首都カトマンズでは新規患者の受け入れができなくなった病院も複数あり、感染した家族のために入院先を探す親族らが追い返されている状況だ。

 国境を接するインドで感染者が急増したにもかかわらず集会や海外旅行が認められていたため、ネパールの首相はウイルスのまん延を食い止める機会を逸したと非難されている。(c)AFP/Paavan MATHEMA and Ashok DAHAL