【5月16日 AFP】イングランドFAカップ(FA Cup 2020-21)は15日、決勝が行われ、レスター・シティ(Leicester City)は1-0でチェルシー(Chelsea)に勝利し、137年のクラブ史で初となる同杯制覇を果たした。ブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督は「歴史的な快挙だ」とチームをたたえている。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まった2020年3月以降、英スポーツでは最多となる2万2000人が集まったウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で、レスターは63分にユーリ・ティーレマンス(Youri Tielemans)がトロフィーにふさわしい豪快なミドルシュートを決めると、これが試合の決勝点となった。

 5年前にプレミアリーグの強豪を抑えてリーグ優勝を果たしたレスターは、これで英サッカーのもう一つのビッグタイトルを手にした。FAカップでは過去に4回決勝に進出しているが、いずれも敗戦で、前回決勝を戦ったのは52年前だった。

 ロジャーズ監督は「クラブにとって歴史的な一日だ」と喜び、「FAカップを初めて勝ち取ることができた。選手とサポーターのことを考えると非常にうれしい。決勝で4回負けて、5回目で何とか取ることができた」と話した。

 歴史的な一日を過ごしたレスターは、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2021-22)出場にもあと一歩に迫っている。チームは3日後に再びチェルシーとのアウェーゲームに臨み、勝利すればチャンピオンズリーグ出場圏内のリーグ4位以内が確定する。

 一方、1月にトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督が就任して以降の27試合で4敗目を喫したチェルシーは、素早い立て直しを求められる。2週間後には今季のチャンピオンズリーグ決勝のマンチェスター・シティ(Manchester City)戦もあるが、チームは今季無冠、さらには来季のチャンピオンズリーグ出場を逃す結果に終わる可能性もある。

 トゥヘル監督は「もちろん残念だが怒りはない」と話し、「勝利にふさわしい内容を見せたが、単純に運がなかった。こういう試合に勝つには運も必要だ」と続けた。(c)AFP/Kieran CANNING