【5月15日 時事通信社】パレスチナは15日、1948年5月のイスラエル建国で多くの人々が難民化したことを嘆く「ナクバ(大惨事)」の日を迎えた。パレスチナ自治区ガザではこの日もイスラエル軍の空爆が続き、難民キャンプで暮らす一家10人が殺害された。ヨルダン川西岸でも抗議行動が拡大し、パレスチナ全域で緊張が一段と高まっている。

 ガザ市にあるシャティ難民キャンプで15日未明、アブハタブさん一家が暮らす家屋が攻撃を受け、女性2人と子供8人が命を落とした。パレスチナでは「イスラエルによる虐殺」と報じられ、死亡した子供4人の父親ムハマド・ハディディさんはメディアの取材に「不公正な世界(の人々)にこの犯罪を直視してほしい」と語った。また、イスラエル軍は米AP通信や中東の衛星テレビ局アルジャジーラが入居するビルを空爆で破壊した。入居者には事前の警告があったとみられる。

 シャティ難民キャンプは48年、イスラエル建国に伴う第1次中東戦争で、現在のテルアビブ近郊などにあった家を追われた人々が集まって形成された。約0.5平方キロのキャンプ内で8万5000人以上が暮らす人口密集地だ。

 イスラエルのメディアによると、テルアビブ近郊で15日、ガザから無差別に発射されたロケット弾が着弾し、1人が死亡した。

 イスラエル軍とガザを実効支配するイスラム組織ハマスの交戦が始まった10日以降、ガザでは139人が死亡した。イスラエル側ではハマスなどの攻撃で9人の死者が出ている。

 一方、パレスチナ自治区が面積の約40%を占めるヨルダン川西岸の各地では14日、ガザでのイスラエルによる「不当な攻撃」などに抗議するデモ隊がイスラエル治安部隊と衝突し、パレスチナ人計11人が死亡した。イスラエル国内でも、パレスチナに連帯意識を持つアラブ系市民によるデモや暴動が相次いでいる。

 こうした中、バイデン米政権が派遣したアムル国務副次官補が14日にイスラエル入りするなど、事態収拾に向けた国際社会の外交努力も続いている。ただ、ハマスをテロ組織と見なし、ロケット弾攻撃に対する「自衛権の行使」を訴えるイスラエルは、現時点で軍事作戦を続行する方針だ。(c)時事通信社