【5月15日 AFP】台湾当局は15日、新型コロナウイルス感染者数の急増を受け、台北市と周辺地域においてソーシャル・ディスタンス(対人距離)を確保する措置を求めた。

 新たに180人の市中感染が確認されたのを受け、台湾当局は台北と新北市(New Taipei City)における警戒レベルを引き上げた。前日の新規感染者数は29人だった。

 全面的なロックダウン(都市封鎖)には至らなかったものの、新たな規制により屋内では5人、屋外では10人を超える集会が禁止される。

 陳時中(Chen Shih-chung)衛生福利部長(衛生相)は「今後数日間、感染拡大の推移を注視し、必要に応じて対策を行っていく」と述べた。

 感染者1500人、死者12人と新型コロナウイルスの抑え込みで世界的に高い評価を受けてきた台湾では、最初の感染拡大の収束後にはソーシャル・ディスタンス確保に関する措置が最低限にとどめられていた。

 台湾では感染の再拡大に伴い、14日にバーやダンスクラブなどの娯楽施設の無期限閉鎖が命じられている。

 台湾は米モデルナ(Moderna)と英アストラゼネカ(AstraZeneca)製のワクチン数百万回分を購入しているが、アストラゼネカ製がわずかに到着したのみで、今週までは市民のワクチン接種率も非常に低かった。(c)AFP