【5月15日 AFP】米オハイオ州コロンバス(Columbus)で昨年、武器を持たないアフリカ系米国人男性が警官に射殺された事件をめぐり、同市が遺族に1000万ドル(約11億円)を支払うことで和解が成立した。

 アンドレ・ヒル(Andre Hill)さん(47)は昨年12月22日、コロンバス警察の元警察官、アダム・コイ(Adam Coy)容疑者に撃たれ、死亡した。白人のコイ容疑者は免職処分を受け、殺人罪で訴追されている。

 市の法務を担当するザック・クライン(Zach Klein)氏によれば、1000万ドルという和解金は、同市では過去最高額となる。

 クライン氏は、「いかなる金額をもってしても、アンドレ・ヒルさんが家族の元に帰ることはないが、これが、正しい方向に向かうための重要かつ必要な一歩になると考えている」と述べた。

 遺族の代理人弁護士らは市に対して、和解に至るという「正しい行動」をしたことに加え、公立の体育館にヒルさんの名を冠する決定を下したことに謝意を表した。

 通報を受けたコイ容疑者ともう一人の警官が現場に駆け付けた時、ヒルさんは民家のガレージにいた。警官のボディーカメラの映像にはヒルさんが左手に携帯電話を持って歩いて来る場面が捉えられているが、右手は映っておらず、その数秒後にコイ容疑者はヒルさんに向け発砲していた。(c)AFP