【5月15日 AFP】米共和党は14日、同党下院ナンバー3の党会議議長にドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領を熱心に支持するエリス・ステファニク(Elise Stefanik)氏(36)を選出した。共和党は方向性をめぐり激しい論争が起きており、党内の結束を図ろうと躍起になっている。

 ニューヨーク州北部の選挙区選出の下院議員で、当初は穏健派だったステファニク氏は、非公開で行われた投票で党会議の強い支持を受け、遅れて党会議議長選に名乗りを上げた対立候補を134対46で破った。ステファニク氏は、女性としては議会共和党で最も高い地位に就いた。

 この2日前に、ディック・チェイニー(Dick Cheney)元副大統領の娘で保守派のリズ・チェイニー(Liz Cheney)氏が、トランプ氏を繰り返し批判し、2020年の大統領選で民主党が不正行為により勝利を収めたとするトランプ氏の誤った主張を拒絶していたことから、党会議議長を解任されていた。

 トランプ氏の影響力が依然として大きい中、共和党は方向性をめぐる党内対立をなんとかして抑えようとしている。

 党内の保守派は2022年の中間選挙に向けて党としてまとまりのあるメッセージを打ち出そうとしているが、大統領選に不正があったとするトランプ氏の主張を拒絶しなかったことが、選挙に悪い影響を及ぼすと懸念する声もある。

 しかしステファニク氏は、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と民主党による「過激な極左社会主義のアジェンダ」を覆すには、トランプ氏とその主張が依然として不可欠だという考えを明確に示した。(c)AFP/Michael Mathes