【5月15日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は14日、新型コロナウイルス流行の2年目の死者数は1年目よりもはるかに多くなるとの見解を示した。また富裕国に対しては、子どもへのワクチン接種をやめ、貧困国にワクチンを寄付するよう呼び掛けた。

 テドロス氏は「このままいけば、パンデミック(世界的な大流行)2年目の死者数は、1年目よりもはるかに多くなる見通しだ」と述べた。AFPが各国当局の発表をまとめた集計によると、2019年末に新型ウイルスが初めて確認されてから、世界で少なくとも334万6813人が死亡した。

 テドロス氏はまた、複数の富裕国が10代の子どもや若者へのワクチン接種を進める一方、貧困国では医療従事者や感染リスクが最も高いグループへの接種さえほとんど始まっていないことに憤りを表明。「一部の国が子どもや若者にワクチンを接種したがる理由は分かる」としつつも、代わりにワクチンの公正分配を目指す国際的枠組み「コバックス(COVAX)」にワクチンを寄付するよう訴えた。

 AFPの集計によると、これまでに少なくとも世界210の国と地域で14億回分近くのワクチンが接種された。このうち約44%が、世界人口の16%が暮らす富裕国で接種された。一方、世界人口の9%を擁する29の貧困国で接種されたワクチンはわずか0.3%にとどまる。成人の6割近くが接種を済ませた米国では13日、ファイザー(Pfizer)製ワクチンの12~15歳に対する接種が本格的に始まっていた。(c)AFP