【5月14日 AFP】イスラエルとパレスチナの衝突激化をめぐり、14日に予定されていた国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合が米国の異議により延期されたことを受けて、中国は同日、イスラム教徒らの「窮状を無視」しているとして、米国を非難した。

 外交関係者らによると、国連におけるイスラエルの外交上の後ろ盾となっている米国は当初、14日に予定されていた緊急会合の開催に反対したが、最終的に16日への延期に同意した。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は記者会見で、今回の衝突について安保理が声を上げることを、米国が「国際社会の反対側に立ち」一方的に妨害したと主張した。

 華氏は「われわれが感じるのは、米国はイスラム教徒の人権に配慮していると繰り返し言いながら、パレスチナの人々の窮状は無視しているということだ」と指摘。

 同氏は今回の米国の消極的姿勢と、米英独が中国に対しイスラム教徒のウイグル人への抑圧をやめるよう呼び掛けていることを引き比べ、「米国はパレスチナのイスラム教徒の命も同等に大事なのだと気付くべきだ」と訴えた。ウイグル問題は、米中対立の焦点の一つとなっている。

 米国は、ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)のロケット弾攻撃に対するイスラエル側の反撃を擁護。その一方でジョー・バイデン(Joe Biden)政権は、民間人が払う犠牲に懸念を示している。(c)AFP