【5月14日 AFP】イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)のイスラム武装組織との衝突が激化する中、イスラエルは13日、ガザ地区の境界地帯に部隊を増派した。映像は、パレスチナ自治区の方向へ砲弾を発射するイスラエル軍。

 一方、イスラエル国内ではユダヤ人とアラブ系住民との間での暴動で死者が出る事態となっており、治安当局が鎮静化を急いでいる。

 イスラエル軍は戦車でパレスチナ自治区を砲撃。AFP記者らは、部隊が分離壁に集結する様子を確認した。ただイスラエル軍は地上作戦について、今後の「筋書きの一つ」ではあるものの、主要目標ではないと説明している。

 交戦収束の兆しがみえない中、イスラエル国内では異例の規模の暴動が発生。人口の約20%を占めるアラブ系住民とユダヤ人が共に暮らす都市の多くで衝突が起きており、アラブ系とユダヤ系双方の住民が激しい暴行を受けたり、警察署が襲撃されたりする被害が出ている。

 警察当局のミッキー・ローゼンフェルド(Micky Rosenfeld)氏は、アラブ・ユダヤ間の暴力がこの数十年で最悪の規模となっており、警察は「文字通りポグロム(民族虐殺)を阻止している」と述べた。

 ベニー・ガンツ(Benny Gantz)国防相は国内の騒乱を抑えるため、治安要員の「大規模な増強」を命令。国境警備隊1000人近くが動員され、400人余りが逮捕された。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、警察は実力行使を強化しているとし、各地の市内に兵士を配備する「選択肢」もあると警告した。(c)AFP/Nir Kafri with Adel Zaanoun in Gaza City