機内の迷惑行為に罰金380万円や実刑も、米航空局が旅客規則を強化
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【5月13日 AFP】新型コロナウイルス対策の規制緩和に伴い、空の便にも客足が戻りつつある中、米国では機内マナーの悪い乗客が航空券の何倍もの罰金を科される事例が相次いでいる。
例えば、客室乗務員の再三の求めにも応じずマスクを着用しなかった乗客は、米連邦航空局(FAA)から罰金1万500ドル(約115万円)の支払いを命じられた。下品な言葉を叫びながら頭上の荷物棚をたたいた乗客は、罰金9000ドル(約98万円)を支払う羽目となった。
これらは、FAAが1月に発表した旅客規則違反に対する厳罰化方針に沿った措置だ。FAAの声明は、新型コロナウイルス流行を受けて導入された機内でのマスク着用義務や、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者による連邦議会議事堂襲撃事件をめぐって、機内での違反行為が増えていると説明していた。
12日の米下院委員会で、FAAのスティーブ・ディクソン(Steve Dickson)局長は「ここ数か月間で、手に負えない乗客の振る舞いが大幅に増加した」と述べた。
厳罰化された旅客規則では、罰金の最高額は3万5000ドル(約380万円)となり、特に悪質な違反行為には実刑が科される可能性がある。
最近では、ドミニカ共和国からニューヨークに向かっていた旅客機内でマスクの着用を拒否し、酒の空き瓶を投げたり、客室乗務員を怒鳴りつけたりつかみかかったりした乗客が、罰金3万2750ドル(約360万円)の支払いを命じられた。
FAAには2月以降、乗客のマナー違反に関する通報が約1300件あり、うち約260件で旅客規制違反の疑いが認められた。すでに20件について法的措置に入っており、さらに追加の法的手続きも準備している。(c)AFP