【5月13日 AFP】(写真追加)新型コロナウイルスの流行の第3波に見舞われているパキスタンは16日までの9日間、厳格なコロナ対策「シャットダウン」を実施しており、旅行や観光に影響が出ている。イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の終わりを祝う大祭「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」の期間中の感染拡大を防ぐのが目的だ。

 政府は感染が爆発するインドの状況を注視しており、今回の規制は昨年4月に実施された1か月のロックダウン(都市封鎖)以来、最も厳しいものとなっている。

 商店やホテル、レストラン、市場、公園は閉鎖され、都市間をつなぐ公共交通機関も運行を停止、監視のため軍も動員されている。

 一方、ラマダンの期間中、夜ごとに多くの人が集まり、マスク着用率も低かったモスク(イスラム礼拝堂)は閉鎖されていない。極めて保守的なイスラム国家であるパキスタンの当局は、宗教施設の閉鎖により反発を招くことを恐れているためだ。

 パキスタンの新型ウイルスの累計感染者は85万人以上、死者は1万8600人に上っている。だが、検査数は限られ、医療体制は脆弱(ぜいじゃく)で、実際の数ははるかに多いとの懸念もある。(c)AFP