【5月13日 AFP】パレスチナとの衝突が激化するイスラエルで12日夜、極右集団がアラブ人と見なした男性をリンチする衝撃的な映像がイスラエル公共放送KANで生中継された。

 現場は、商都テルアビブ南郊バトヤム(Bat Yam)の海岸道路。極右集団は男性を車から引きずり出し、意識を失うまで殴った。

 警察と救急が現場に到着するまで15分かかった。被害者の男性は道の真ん中で、身動きせずにあおむけに倒れていた。

 極右集団は、男性はアラブ人で、自分たちに車を突入させようとしていたと主張した。しかし、映像を見ると、男性はデモをしていた極右集団を避けようとしていた。

 テルアビブのイチロフ病院(Ichilov Hospital)は、「リンチの被害者は重傷だが、容体は安定している」と発表した。

 極右政党、宗教シオニズム(Religious Zionism)のベザレル・スモトリッチ(Betzalel Smotrich)党首は、リンチを「非道な残虐行為」と呼び、「恥じている」と述べた。「ユダヤの兄弟たちよ、やめなさい! いかなる事情があろうと、暴力への加担は許されない」

 左派政党メレツ(Meretz)のアラブ系議員、イッサウィ・フレジ(Issawi Fredj)氏は、この映像はイスラエルが「内戦」に向かっている兆候だと述べた。(c)AFP