【5月13日 AFP】米英独は12日、国連(UN)で中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の人権問題に関するビデオ会議を開き、イスラム系少数民族ウイグル人の弾圧をやめるよう中国に要求した。

 米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)国連大使は、「新疆では、人々がひどく苦しめられ、女性は不妊手術を強制されている」と述べた。さらに、多くのウイグル人と宗教的少数派は、中国政府の命令で、倒れるまで衣料品製造などの強制労働に従事させられていると主張した。

「中国政府が新疆でウイグル人ら少数民族への人道に対する罪とジェノサイド(大量虐殺)をやめるまで、われわれは追及を緩めずに声を上げ続ける」

 英国のバーバラ・ウッドワード(Barbara Woodward)国連大使は、「大規模な恣意(しい)的拘束、強制失踪、拷問の証拠がある。労働と不妊手術の強制が広く行われているとの報告もある」と述べた。「われわれがきょうここに集まったのは、こうした事実に向き合い、国連人権高等弁務官とその事務所に自由で意義のある立ち入りを即時に認めるよう、中国に求めるためだ」

 ドイツのクリストフ・ホイスゲン(Christoph Heusgen)国連大使は、「われわれは中国に対し、世界人権宣言を尊重し、収容施設を解体するよう求めてきた」と述べた。「何も隠すものがないなら、国連人権高等弁務官に妨害のない立ち入りを認めたらどうか」

 中国の国連代表部はこの会議について、「全くのうそと政治的偏見に基づいている」と非難し、中止を求めていた。「新疆は現在、安定、急速な経済発展、すべての民族の調和のとれた共存など、歴史上最高の状態にある」 (c)AFP