【5月13日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)ガザ市(Gaza City)で12日、十数階建ての高層ビルがイスラエルによる空爆を受けて崩壊した。同地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は報復として、イスラエルに向け新たに多数のロケット弾を発射。一方のイスラエルは、即時停戦の可能性を否定した。

 イスラエルは、崩壊したビルにはハマス情報機関の拠点があったとしている。ガザ市では前日にも、13階建ての高層ビルが空爆を受け崩壊していた。

 ハマスは報復として、130発のロケット弾を発射したと発表。イスラエル南部スデロット(Sderot)では自宅にロケット弾が着弾した6歳の男児が死亡し、中部テルアビブでは空襲警報が鳴り響いた。

 イスラエル・パレスチナ間の緊張は、ユダヤ教徒とイスラム教徒両方にとっての聖地であるエルサレム(Jerusalem)のアルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)で起きた騒乱がきっかけで激化。衝突の規模はこの7年で最悪となっており、10日以降、ガザ地区では子ども16人を含む少なくとも65人が死亡、イスラエルでは兵士1人とインド国籍の1人を含む7人が死亡した。

 イスラエル軍によると、ガザ地区の武装勢力は10日以降、約1200発のロケット弾を発射。一方のイスラエル軍は、同地区の武装勢力拠点に対する攻撃として350回以上の空爆を実施した。

 イスラエルのベニー・ガンツ(Benny Gantz)国防相は、「完全かつ長期の静寂」が実現するまでは停戦は検討しないと述べ、ガザ地区を拠点とするハマスなどのイスラム系武装組織に対する攻撃継続を宣言。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相も、「これは始まりにすぎない」とし、「彼らが夢にも見なかったような打撃を与える」と警告した。(c)AFP/Ben Simon with Adel Zaanoun in Gaza City