【5月13日 AFP】米共和党の下院議員らは12日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領に批判的なリズ・チェイニー(Liz Cheney)議員を、下院の同党ナンバー3の座から解任することを決めた。トランプ氏の共和党に対する影響力を強固なものとする動きだ。

 ディック・チェイニー(Dick Cheney)元副大統領の娘であるチェイニー氏は、2020年の大統領選で民主党が不正行為により勝利を収めたとするトランプ氏の誤った主張を拒絶してきた。

 共和党議員らは、チェイニー氏の激しいトランプ氏批判が党内の分裂を深めているとし、解任は党の団結が目的だと主張。非公開で開いた会合で、発声投票によりチェイニー氏の解任を即決した。議員らによると、演説や大々的な発表などはなかった。

 チェイニー氏はその後、記者団に対し「私たちは、前大統領の非常に危険なうそに引きずられ、後退してはいけない」と言明。「前大統領が2度と大統領執務室(Oval Office)に近づかないよう、私はあらゆることをする」と宣言し、「私たちは真実に基づき前進しなければならない。大きなうそと憲法の両方を受け入れることはできない」と述べた。

 トランプ氏はチェイニー氏解任後に出した声明でおなじみの辛辣(しんらつ)な批判を展開し、「リズ・チェイニーは恨みがましく、恐ろしい人間だ」と主張。「彼女には個性もなければ、政治や私たちの国にとって良いところも何もない」とこき下ろした。(c)AFP/Michael Mathes