【5月12日 AFP】陸上自衛隊は11日、米仏の部隊と国内初となる共同訓練を開始した。アジア太平洋地域では、海洋進出を強める中国への懸念が高まっている。

 1週間の日程で実施される陸海空の共同訓練には、3か国の部隊から約300人が参加。さらにオーストラリア海軍艦も加わることになっている。新型コロナウイルスの感染防止策を講じながら、九州と海上で実施される。

 AFPの取材に応じた拓殖大学(Takushoku University)海外事情研究所(Institute of World Studies)の川上高司(Takashi Kawakami)教授は今回の訓練について、好戦的な動きを強める中国をけん制するものだと指摘。

 また、長期的には、インド太平洋地域における欧州との連携が、安倍晋三(Shinzo Abe)前首相が提唱した日本と北大西洋条約機構(NATO)の関係強化につながり得るとの見方を示した。

 中国をめぐっては、強大な軍事力や、同国が領有権を主張する沖縄県の尖閣諸島(Senkaku Islands)周辺での動きが警戒されている。

 フランスは、インド太平洋地域にレユニオン(Reunion)や仏領ポリネシア(French Polynesia)などの海外領土を持っており、同域を戦略上重視している。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA