【5月17日 AFP】テニス、イタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2021)は16日、男子シングルス決勝が行われ、大会第2シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は7-5、1-6、6-3で第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に勝利し、10回目の大会優勝を果たした。

 ナダルは約2時間50分で前回王者ジョコビッチを下し、マスターズ1000(ATP Masters 1000)大会最多36勝目を挙げてジョコビッチに並ぶとともに、連覇のかかる2週間後の全仏オープン(French Open 2021)に向けた仕上がりをアピールした。

 ナダルは「このタイトルを本当に求めていた。ここはキャリアの初期に優勝できた大きな大会で、モンテカルロ・マスターズ(Monte-Carlo Rolex Masters)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell)、全仏は10勝できているから、ここでも10勝目を取りたかった」とコメントした。

 ナダルとジョコビッチの対戦はこれが57回目で、前回当たった2020年の全仏(French Open 2020)決勝ではナダルがストレートでジョコビッチを圧倒した。イタリア国際決勝ではこれでナダルの4勝2敗で、キャリア通算では28勝29敗。両者はここ17回のイタリア国際のうち、15大会のトロフィーを二人で占めている。

 この試合のナダルは、最初のサービスゲームをいきなり落としたが、続くゲームでブレークを返すと、ジョコビッチの2倍の21本のウイナーを決めてセットを獲得した。

 第2セットは調子を崩し、相手に2回のブレークを許してセットカウントを1-1に戻されたが、最終セットではリズムを取り戻すと、前日に準々決勝の雨天順延分、さらに準決勝を合わせて5時間近く試合をしていたジョコビッチに対し、第5ゲームではピンチをしのいでサービスキープ。続くゲームをラブゲームでブレークしてゲームカウントを4-2とした。

 そして、第8ゲームの1本目のチャンピオンシップポイントはしのがれたナダルだったが、続くゲームでの2本目をしっかり獲得してキャリア通算88勝目、今月のバルセロナ・オープンに続く今季2勝目を挙げた。

 敗れたジョコビッチは「勝てなかったのは残念だが、自分のレベルには満足している」と話し、「パリへ向けて良い感覚が得られた。クレーの感触をつかみたいと思っていた」と続けた。

 全仏オープンは5月30日に開幕し、大会13勝を挙げているナダルは単独最多となる四大大会(グランドスラム)通算21勝目に挑む。一方、2016年に全仏を制しているジョコビッチは、グランドスラム4大会でそれぞれ2回以上優勝という、男子では50年以上ぶり3人目の選手になることを目指す。(c)AFP