【5月11日 AFP】中国のテレビ規制当局は10日、過熱するアイドル応援文化の規制の一環で、オンラインのオーディション番組に対し、ファンの「分別のない」熱狂的応援を助長するのではなく、社会主義的な価値観を促進するよう命じた。

 日本や韓国で放送された類似番組を基にした「創造営2021(Produce Camp 2021)」や「青春有●(●は、にんべんに尓、Youth With You)」といった男性アイドル発掘番組は、中国で大きな話題となっている。若い女性を中心とした多数のファンが、オンラインで自分が応援する「推し」について熱心に語っている。

 当局は先週、「青春有●」の最新シーズン最終回の放送を直前になって突如中止させた。番組については、上位争いをしていた出場者の家族によるとされる事業をめぐるスキャンダルが持ち上がっていた。

 さらに国営メディアは、ファンらが「推し」に投票できる権利が付いたスポンサー企業の牛乳を大量に買って、中身は捨てていたことも強く批判している。牛乳の容器に付いているQRコードが投票権になっており、ファンらは牛乳を捨てる様子を撮影し、ネットに投稿していた。

 北京のラジオ・テレビ規制当局は10日、特定のオンラインオーディション番組で、分別のないファンの応援や追っかけ、過度な広告といった問題が発生しており、ガイドラインの強化と適切な改正が早期に求められると指摘した。

 新ガイドラインは番組制作者に対し、投票権をファンに買わせることを禁止した他、出場者の犯罪歴や個人的なスキャンダル、「社会への悪影響」がないかどうか、身元を入念に調査するよう命じている。(c)AFP