【5月11日 Xinhua News】中国の新興電気自動車(EV)メーカー、上海蔚来汽車(NIO)は6日、ノルウェー戦略を発表した。同国市場に進出し、運営システムを構築する。同社初の海外進出で、李斌(Li Bin)董事長兼最高経営責任者(CEO)は「ノルウェーは最初の一歩。来年は5カ国に進出する」と語った。

 中国自動車メーカーの中には既に同国に進出している企業もある。広州小鵬汽車科技は欧州のEVディーラーと提携し、ノルウェーから最初の発注を受けた。中国第一汽車集団の高級車ブランド「紅旗」も同国のディーラーと契約し、ノルウェー市場進出を宣言した。上海汽車集団傘下の英系ブランド「MG(名爵)」はノルウェーでの販売台数が長期にわたり車種別ランキングの上位を維持している。

 業界関係者は「ノルウェーには国産自動車ブランドがなく、市場化レベルも高いことから、自動車メーカーが総合力を発揮できる場所になっている」と語る。中国EVメーカーもノルウェー市場の限られた販売台数ではなく、同国を基点とした海外での評価を重視しているという。

 NIOは欧州進出で先行する国内同業他社とは一線を画し、直営方式を採る。モデルチェンジしたスポーツタイプ多目的車(SUV)「ES8」の販売を9月に開始するほか、同社初のセダン「ET7」も来年投入する。バッテリー交換ステーションも建設し、充電システムとカスタマーサービスを整備する。

 ノルウェーは人口530万人余りで、面積は約38万5千平方キロ。新車販売台数は長年にわたり10万台余りを維持している。EV販売台数の割合が年を追うごとに拡大しており、2020年は初めてガソリン車とハイブリッド車の合計販売台数を抜いた。

 中国税関総署の統計によると、中国の20年のEV(低速EVとノンプラグインハイブリッドカーを含む)輸出額は前年比約2・4倍の224億200万元(1元=約17円)。一方で輸出台数は12・5%減の22万2900台となっており、輸出台数の減少に対し輸出額が増えたことは、国産EVの輸出単価上昇を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News