【5月11日 AFP】中東エルサレム(Jerusalem)にあるイスラム教の聖地アルアクサ・モスク(Al-Aqsa Mosque)で起きたイスラエル警察とパレスチナ人信者との衝突を受け、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は10日、イスラエルに向けてロケット弾を発射した。イスラエル軍は報復として、ガザ地区を空爆。ハマスによると、空爆により子ども9人を含む少なくとも20人が死亡、65人が負傷した。

 ハマスは、ガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾100発以上を発射したと発表。イスラエル軍はこれに先立つ発表で、発射されたロケット弾は少なくとも45発で、大半がガザとの境界近くに向けられたが、7発はエルサレムに向けて発射されたとしていた。

 ロケット弾の一部はイスラエル軍の防空システム「アイアンドーム(Iron Dome)」で迎撃されたり、空き地に着弾したりした。イスラエル側の負傷者は確認されていない。アルアクサ・モスクの敷地内では、木々を巻き込む大規模な火災が発生した。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、ハマスがロケット弾をエルサレムに向けたのは「一線」を越えた行為だとし、イスラエルは「武力で応じる」と警告した。地元当局によると、ガザ地区空爆による死者には10歳の少女が含まれる。ハマスは、司令官1人が空爆により死亡したと明らかにした。

 アルアクサ・モスクはイスラム教徒にとって第3の聖地で、同モスクのある「神殿の丘(Temple Mount)」はユダヤ教徒にとっての聖地でもある。同モスクでは、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」最終金曜日の7日、イスラエルの警察当局とパレスチナ人信者が衝突。エルサレムで2017年以来最悪の騒乱となった。衝突はその後も連日発生し、数百人が負傷する事態となっている。

 映像前半はガザ地区での空爆。後半はアルアクサ・モスクでの騒乱。10日撮影。(c)AFP