【5月11日 AFP】男子テニスの錦織圭(Kei Nishikori)は10日、東京五輪が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)下で安全に開催できるか「議論」すべきだとし、大坂なおみ(Naomi Osaka)の意見に賛同した。

 五輪開幕まで3か月を切る中、日本では東京や一部地域で緊急事態宣言が7日に延長された。パンデミックによってすでに1年延期になっている五輪だが、国民からの中止を求める圧力は強まっている。

 大坂は9日、五輪開催について「絶対に話し合うべき」とコメント。元世界ランキング4位の錦織は、五輪には多くのアスリートが参加するため、無観客であっても開催は困難との見解を示した。

 この日のイタリア国際(Internazionali BNL d’Italia 2021)男子シングルス1回戦でファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini、イタリア)に勝利した錦織は、「彼ら(大会責任者)が何を考えているのか、どのようなバブル(隔離環境)にするか、どれほど考えをめぐらせているのか分からない。五輪はこの大会(イタリア国際)のような100人規模ではない」と語った。

「選手村には1万人いて大会に参加する。だから、簡単ではないと思う。特に今、日本で起きている状況はうまくいっていない」

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、すでに海外からの観客受け入れを見送ると発表している。

 検査で新型コロナウイルス陽性が出た影響で昨年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を欠場した錦織は、今年2月には全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)に出場するため2週間の隔離生活を余儀なくされた。

「アスリートのことだけを考えればできるとは思う」と前置きした上で錦織は、「良いバブルをつくれるならできるかもしれないが、それでもリスクはある。選手村で100人、1000人の感染者が出るかもしれない。コロナはとても簡単に拡大する。だから、なおみと同じことを言いたい。どうしたら本当に安全にプレーできるか真剣に議論しなければならない」 (c)AFP