【5月11日 AFP】フランスで、若い女性や少女を中心に11人の殺害を認め、終身刑に服していたミシェル・フルニレ(Michel Fourniret)受刑者が10日、死亡した。79歳。パリの検察当局が発表した。

 フルニレ受刑者には8件の殺人罪で2度の終身刑が言い渡されていた。殺害を認めた人数は11人だったが、さらに複数の失踪事件への関与が疑われていた。事件の大半はベルギーとの国境に近いアルデンヌ(Ardennes)で起き、フルニレ受刑者は「アルデンヌの食人鬼」と呼ばれた。

 被害者には、2003年にフルニレ受刑者により性的暴行を受け殺害されたエステル・ムザン(Estelle Mouzin)さん(当時9)も含まれる。同受刑者は昨年3月、ムザンさん殺害を認めたが、遺体はまだ見つかっておらず、同受刑者の死亡により裁判での真相解明の希望も絶たれた。

 フルニレ受刑者は、収監されていたフレンヌ(Fresnes)刑務所から先月28日に搬送され、入院していたパリ市内の病院で死亡。現地紙パリジャン(Parisien)が10日報じたところによると、同受刑者は心臓病とアルツハイマー病により病院に搬送され、人工的な昏睡(こんすい)状態に置かれていた。検察は、死因の特定に向けた調査を行うと表明。フランスでは受刑者が死亡した場合、調査を行うことが通例となっている。(c)AFP