【5月10日 CGTN Japanese】世界保健機関(WHO)は7日、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)北京生物製品研究所が開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認しました。これにより、WHOが緊急使用の許可を出したワクチンは、米ファイザー・独ビオンテック製、英アストラゼネカ・韓国SKバイオ製、印セラム・インスティテュート・オブ・インディア製、米ヤンセン製、米モデルナ製に続いて6つ目となりました。これは、非西側諸国で開発されたワクチンとして唯一認められたものでもあります。

 WHOのテドロス事務局長はこの日の記者会見で、「この決定は、新型コロナワクチンの公平な分配のための国際的な枠組み『COVAX(コバックス)』の購入範囲を拡大しつつ、シノファーム製コロナワクチンの輸入と接種に便宜を図るものであり、各国がその緊急使用の承認プロセスを加速する自信の向上にもつながる」と述べました。

 WHOはさらに、一部のコロナワクチンが超低温での保存が必要なのに対し、シノファーム製コロナワクチンは通常の冷蔵庫で保管できるという優位性を持つことから、輸送能力や資源に乏しい環境での使用に向いていると評価しました。また、シノファーム製コロナワクチンは初めてワクチン容器にセンサーが取り付けられたワクチンで、過熱環境に置かれるとワクチン容器に貼られたラベルが変色し、ワクチンの使用可否が一目で分かります。

 なお、「COVAX」は今年末までに、世界各国、とりわけ中低所得国家に20億回分のワクチンを提供する計画ですが、ワクチンの不足により、これまでの分配は5400万回分にとどまっています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News