【5月17日 AFP】世界最大の紅茶輸出国であるケニアの茶産業が、気候変動に伴う気温の上昇、不規則な降雨パターン、虫害などにより壊滅の危機に直面しているとの報告書が発表された。

 お茶は、水の次に世界で最も多く飲まれている飲料。ケニアの輸出量が低下すれば、世界に影響が広がることが予想される。

 国際援助団体「クリスチャン・エイド(Christian Aid)」は10日に発表した報告書で、ケニアの主要作物である茶の収穫量を脅かすさまざまな要因や、温暖化の進行に伴って他の茶生産国が直面する恐れのある危機について分析し、まとめた。

 報告書は査読済み論文を引用しつつ、「気温の上昇」「不規則な降雨パターン」「干ばつ」「新たな害虫の大発生」という四つの脅威が重なることで、ケニア国内では2050年までに最高品質の茶葉の生産地の26.2%が壊滅的な打撃を受け、中等品質の茶葉の生産地も40%近く減少すると指摘している。

 報告書はまた、ケニアの茶産業に携わる300万人以上の雇用が、今後20年間で失われる恐れがあると警告している。(c)AFP