【5月10日 AFP】仏全土で9日、より意欲的な気候変動対策を政府に求める数万人規模のデモが行われた。

 警察当局によると、デモの参加者は全土で4万6000人超、首都パリでは8500人超。主催者発表では、全国で11万5000人、パリでは5万6000人が参加したとしている。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は昨年、憲法に気候変動に関連する目標を盛り込むことの是非を問う国民投票を実施すると確約。国民投票の実施には改憲法案に対する議会上下両院の賛成が必要で、国民議会(下院)は3月、賛成多数でこれを採択した。

 下院で可決された法案は10日に上院に送られるが、下院のリシャール・フェラン(Richard Ferrand)議長は、上院の多数派は環境問題に対して「(下院より)保守的」だとして、「今の形勢では国民投票には至らないだろう」と認めた。

 デモに参加したシリル・ディオン(Cyril Dion)さんはAFPに対し、「気候変動対策法案に対する消極的姿勢や、国民投票の見通しがほぼなくなったことを私たちは非難する」と語った。(c)AFP