【5月10日 Xinhua News】中国香港特別行政区政府統計処はこのほど、2021年第1四半期(1~3月)の域内総生産(GDP)が前年同期比7・8%増加したと発表した。

 特区政府報道官は香港経済が第1四半期に大きく回復したことについて、世界経済の回復を受け、物品の輸出が大幅に増えたことが主な原因との見方を示した。

 香港経済が第1四半期に好調なスタートを切ったことで、雇用にも改善がみられた。

 香港の失業率(季節調整済み)は20年12月~21年2月の7・2%から21年1~3月の6・8%に改善した。ある財界関係者は、このことも香港経済が回復し始めていることの裏付けだとみている。

 中国建設銀行(アジア)の陳世淵(Chen Shiyuan)上級副総裁は、香港企業の信頼感が回復しつつあり、第1四半期の固定資産投資は前年同期比4・5%増加したと説明。香港経済はこれからも引き続き外部環境の改善という追い風を受けるとし、失業率は徐々に低下すると予測した。

 新型コロナウイルス対策期間中、香港は制度面の優位性とコアコンピタンスを生かし、国際金融センターとしての地位を固め、高いリスク抵抗力と強靱(きょうじん)さを示した。

 ただし、専門家によると、香港の経済回復にはむらがあり、全体的な経済活動は依然として新型コロナ発生前の水準を下回っている。香港のエコノミスト、梁海明(Liang Haiming)氏はこれについて、新型コロナおよび社会的距離確保の要請が経済活動の各分野、特に消費者に関する活動に引き続き影響を与え、香港の第1四半期の個人消費支出が1・6%の伸びにとどまったことが主な原因との見方を示した。

 同報道官は、世界各地の感染状況は依然として厳しく、観光に関する活動は回復が遅々としていると説明。香港で感染状況の好転が続くとすると、特別行政区政府によるさまざまな影響緩和措置と世界経済の回復を受け、香港のビジネス環境と消費マインドは下半期(7~12月)に全面的に改善する可能性があるとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News