【5月9日 AFP】米ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)のクウェイルホロー・クラブ(Quail Hollow Club、パー71)で行われている男子ゴルフ米国ツアーのウェルズ・ファーゴ選手権(Wells Fargo Championship 2021)で、予選落ちしたと思い込んで帰途に就いたブライソン・デシャンボー(Bryson DeChambeau、米国)が、その後決勝ラウンドに進出し、会場にUターンするという珍事があった。

 7日に行われた第2ラウンドでデシャンボーは、上がり3ホール目の7番でトリプルボギーをたたくと、最終9番でもバーディーパットを外し、スコアを三つ落として通算2オーバーでホールアウト。当時の順位は90位だったため、予選通過は不可能だと判断し、次週に向けて帰宅することにしたという。

 しかし、後にプレーした選手のラウンドで天気が悪化。シャーロットから自宅のあるテキサス州ダラス(Dallas)までの1000マイル(約1600キロメートル)の距離を飛行機で移動していたデシャンボーの元にも、予選通過ラインぎりぎりの68位に順位が上がったという情報が代理人から入った。

 連絡を受けた時は、「は? うそだろう。あり得ない。予選通過は無理だろうと思った」というが、着陸前には予選通過ラインに入った。「やらかしたよ。ミスだった。面白かったけどね」と、デシャンボーは振り返る。

 その後は、「戻るために色々と慌ただしかった」。乗務員の労働時間が上限に達し、3時間のフライトの後で燃料の補給も必要だったため、デシャンボーはいったん帰宅し、トレーニングをした後5時間の睡眠を取って、再び8日の未明に引き返した。

 迎えた8日の第3ラウンドは、3アンダー「68」をマークし、通算1アンダーとスコアを伸ばした。ラウンド後、「ものすごく疲れた」と話したデシャンボーは、当落線上にいる時に大会会場を去るタイミングについては考えを改めたと認め、「今回本当に学んだよ」と語った。

 27歳のデシャンボーは来月、カリフォルニア州ラホヤ(La Jolla)のトーリーパインズGC(Torrey Pines Golf Course)で開催される全米オープン選手権(2021 US Open Championship)で大会連覇を目指す。(c)AFP