【5月9日 AFP】串焼き料理「サテ」や煮込み料理「ビーフルンダン」──米食品加工大手ADMはシンガポールで、植物性の代替肉を使った人気の東南アジア料理の開発を行っている。

 新設されたADMの研究所では、主に大豆やエンドウ豆を使い、伝統的な肉料理の味の再現を目指している。

 アジアでは、持続可能な食品に対する需要は欧州に比べて少ない。だが、食の健康に対する意識の高まりや、食肉の環境への影響に対する懸念の高まりとともに増加傾向にある。

 域内では既に、植物性の代替肉を使ったハンバーガーやチキンナゲットが販売されている。しかし、ADMは、現地の人の好みを取り入れた料理の開発を目指している。

 同社の東南アジア部門副社長兼栄養部門責任者のディルク・オイエン(Dirk Oyen)氏は、「現地の料理人や消費者と協力し、アジアで本当に求められている味の開発を目指している」と語った。

 ADMの研究所は、ピーナツソースをつけて食べる串焼き料理「サテ」やココナツミルクとスパイスで牛肉を煮込んだ「ルンダン」の代替肉バージョンを開発した。

 ADMの代替肉は、牛、豚、鶏、魚介類があり、さまざまな料理に使用できる。また、ハムやソーセージなどの加工品も手掛けている。

 アジアでは、豆腐やテンペ(大豆の発酵食品)など植物性の食材が日常的に食べられているが、ADMは消費者に幅広い選択肢を提供したいとしている。

 シンガポールには既に、研究室で細胞から人工培養された魚介類や、豚肉の代わりに熱帯の果物を使ったギョーザなど、多種多様な持続可能な食品を提供するスタートアップ企業が多く存在する。

 映像は4月21日撮影。(c)AFP/Martin Abbugao