【5月10日 Xinhua News】東京五輪の聖火リレーは7日、日本の長崎県に入った。長崎市内の一部区間では復元された「遣唐使船」が登場し、中日両国の唐代の盛んな文化交流が再現された。

 同日午後8時、聖火ランナーを務めるNTT西日本の小林充佳社長が鮮やかな朱色の遣唐使船に乗り込むと、長崎県庁横の岸壁を出発し、対岸の長崎水辺の森公園まで約1キロを20分かけてつないだ。

 遣唐使船は全長約30メートル、幅約9・3メートル、重さ約110トン。日本の公益財団法人が2010年の上海国際博覧会(上海万博)に合わせて建造した。上海万博のナショナルデー「ジャパンデー」で披露し、唐代の中日交流の物語を現代によみがえらせた。

 出発式では、在長崎中国総領事館の崔龍(Cui Long)領事が孔鉉佑(Kong Xuanyou)駐日中国大使の祝辞を代読し「約1300年前、遣唐使が長崎を出発し中国に渡り、中日交流が盛んになり、そして中日友好の重要なシンボルとなった」と述べた。また、遣唐使船は千年を越えて、「故郷」に戻り、今回オリンピックの聖火を運び、中日友好の新たな1ページを刻もうとしていると指摘した。

 公式アンバサダーで俳優の石原さとみさんや東京五輪・パラリンピックのメイン会場を設計した隈研吾さんなどが聖火ランナーとして参加した。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、聖火リレーの参加人数を制限し、観客には声援の代わりに拍手で応援するよう協力が呼び掛けられた。遣唐使船の出発式も無観客で行われた。(c)Xinhua News/AFPBB News