【5月8日 AFP】緊張が続く中東エルサレム(Jerusalem)で7日、アルアクサ・モスク(Al-Aqsa mosque)の敷地内でイスラエルの警察当局と数百人のパレスチナ人が衝突した。エルサレムとイスラエル占領下のヨルダン川西岸(West Bank)では今週、両者の衝突が相次いでいる。

 アルアクサ・モスクの敷地内でパレスチナ人は石や瓶、花火をイスラエル警察に向かって投げ付け、警察はゴム弾や閃光(せんこう)弾で応酬した。イスラム教徒にとって第3の聖地、アルアクサ・モスクがある場所は、ユダヤ教徒には「神殿の丘(Temple Mount)」と呼ばれている。

 報道によれば、アルアクサ・モスクと東エルサレム(East Jerusalem)での負傷者は、少なくともパレスチナ人163人とイスラエル側の警察官6人。パレスチナの赤新月社(Red Crescent)は、救急救命室が満杯になったため、仮設病院を開設したと報告している。

 イスラエル警察は、夕方の礼拝後に「数千人のイスラム教徒が暴動を起こした」ため、治安部隊が「秩序を取り戻す」必要があったとしている。

 イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」中にイスラエル当局が旧市街(Old City)への立ち入りを一部制限した措置にパレスチナ人が抗議したのに加え、移住するイスラエル人のために当局がパレスチナ人の複数世帯に退去を命じてから、エルサレムではここ数週間、緊張が非常に高まっている。(c)AFP/Daniella CHESLOW