【5月8日 AFP】世界保健機関(WHO)は7日、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)が開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。WHOによる中国製ワクチン承認は初めて。

 WHOはこれまで、米ファイザー(Pfizer)と独ビオンテック(BioNTech)の共同開発ワクチン、米モデルナ(Moderna)、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチン、韓国とインドで製造された英アストラゼネカ(AstraZeneca)のワクチンの緊急使用を承認していた。

 WHOの緊急使用承認により、世界各国で迅速なワクチン承認と輸入が可能となり、特に国際標準の規制当局を持たない国は大きな恩恵を受ける。また、貧困国などへのワクチンの公正な分配を目指す国際的枠組み「コバックス(COVAX)」を通じた供給も可能になる。

 シノファーム製ワクチンは2回接種型。AFPの集計によると、すでに使用が始まっている国・地域の数は42で、アストラゼネカ(166)、ファイザー・ビオンテック(94)、モデルナ(46)に次いで世界で4番目に多い。

 シノファーム製ワクチンが使われているのは、中国のほかアルジェリア、カメルーン、エジプト、ハンガリー、イラク、イラン、パキスタン、ペルー、アラブ首長国連邦(UAE)、セルビア、セーシェルなど。

 WHOは、中国のシノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)製ワクチンの緊急使用承認について近日中に判断を下す見通し。ロシア製の「スプートニクV(Sputnik V)」も、承認に向けた手続きが進んでいる。(c)AFP